あなたも隠れフードアレルギーを持っている？
「グルテンフリー」
「カゼインフリー」
最近この言葉をよく聞くようになってきましたね。
世界ランク第1位に上りつめたセルビアの男子テニスプレーヤー
ノバク・ジョコビッチ選手が
「グルテンフリー」「カゼインフリー」の食事を行っていたことで
話題になりました。
フリーとは、使わないという意味なので、
グルテンって、何？
そもそも、「グルテン」とは、小麦に含まれるたんぱく質のことです。
パンやケーキなのを膨ませたり、モチモチ感を出すための成分で、
グルテンを含む食材には、
パンやピザ、
パスタ、
うどん、
ラーメン、
そうめん、
そばなどの麺類、
お好み焼き、
中華まん、
餃子、
シリアル、
カレーのルーなどのほか、
フライや天ぷらの衣などもあります。
そう、グルテンは私たちが毎日口にしているといっても過言では
ないのです。
「カゼイン」とは、乳製品に含まれているタンパク質で、
その約8割がカゼイン、残り約2割がホエイ。
牛乳のタンパク質の8割を占めています。
早速ですが以下のチェック項目にいくつ当てはまるのか
やってみましょう。
□疲れが取れない
□常に体がだるい
□頭痛や肩こりがある
□関節痛がある
□腹痛、下痢や便秘を繰り返す
□つい食べ過ぎてしまう
□食後に満腹感や胃もたれがある
□肌荒れや乾燥肌に悩んでいる
□集中できない
□イライラする
□女性の場合、生理不順や重い生理痛がある
いくつ当てはまりましたか？
実はこれ、小麦や乳製品をはじめとする特定の食品に反応する
「遅延性アレルギー」の症状の一部なのです。
80％以上が持っているといわれる遅延性アレルギー
遅延性アレルギーとは、食後6～12時間経ってから症状が現れる
フードアレルギーです。
一般に知られている即時型のアレルギーとは別のもので、相関関係は
ありません。
つまり、即時型アレルギーを持っていない人でも、遅延性アレルギーを
持っている可能性は十分にあります。
あなたが夕方頭痛になったとします。
もし実は自分が小麦と乳製品に対して遅延性アレルギーを持っていたら？
もしたまたまその日の朝食にパンと牛乳、ヨーグルトを食べていたら？
そのまさかが起こるのが遅延性アレルギーなのです。
では、なぜ遅延性アレルギーが起こるのでしょうか。
アレルギーと密接にかかわっているのが腸の状態です。
遅延性アレルギーも、即時型アレルギーと同じように、特定の食品に
含まれるたんぱく質が消化管の分解能力を超えるために起こります。
食品に含まれるたんぱく質は分子量が大きいので、そのままでは
小腸で吸収できません。
そこで「胃酸」「消化酵素」「腸内細菌」の3つの消化ステップを経て、
最終的にアミノ酸レベルの小さな分子に分解され、小腸で吸収されます。
アミノ酸の状態まで分解されれば、その食材がもともと持っていた特性が
なくなり、アレルギーの原因とはなりません。
ところが、特定の食品を十分に消化できないと、分解しきれなかった
大きな分子は腸管のフィルターを通ることができず、小腸も目詰まりを
起こすのです。
この特定の物質がアレルゲンとなり、遅延性アレルギーを引き起こします。
アレルゲンが体内に入ってくると、IgE（免疫グロブリンG）がアレルゲンと
結びついて、免疫複合体を作り、小腸の粘膜に炎症を起こします。
この炎症は長期に及び、しかも即時型より激しいのです。
特に小麦は、消化機能を劣化させることがあり、
胃酸逆流から潰瘍性大腸炎、その他の腹部機能不全を引き起こすことが
あります。
また、様々な炎症（腹痛や張り）、自己免疫性症状（リューマチ神経痛、
甲状腺炎、橋本病）を引き起こすこともありえます。
さらにパラノイアや総合失調症といった精神疾患、そして行動障害や
思考に「霧」が発生し、疲労やホルモン不全を作り出すため、
ノバク・ジョコビッチのようなスーパーアスリートであっても、
肉体・感情面で不調に見舞われてしまうのです。
以下の本も読んでみてください。
次回に続きます。
