GAP取得のためのまとめ!
先日、JGAP指導員の研修を受けてきました。
そもそも、GAPって何?
という方はこちら、、、
簡単に言うと、JGAPとは、農作物や畜産の認定制度のこと。
消費者や農産物にとって、
安心して安全な農作物を購入・取引できる農場として、
一定の審査を設け、それをクリアーした個人(法人を含む)や団体等に
与える認証制度です。
最近では、
「GAPを取得していない農産物はオリンピックの選手村で使用できない」
といったニュースがあったように、
2020年のオリンピックに向けて注目されている認証制度です。
JGAP指導員って??
JGAPは、農場や、農業団体が取得するものですが、
それを審査、チェック、また導入までサポートする人が必要。
それが、JGAP指導員。
JGAP指導員を持っていると、これからJGAPを導入する農場に
コンサルやアドバイス、指導ができます。
また、自分が農家としてJGAPを取るための知識を得ることが
できます。
GAPには、正確に言うと全部で3種類あり、
GAP(GLOBAL GAP)
JGAP(JAPAN GAP)
ASIAGAP(ASIA GAP)
GAPは、認証機関が違うのですが、
JGAPとASIAGAPは、同じ認定機関で取得することができます。
これらの内容は、ほとんど同じなので、
基本は変わりません。
必要なのは2日間の研修+試験合格!
JGAPの指導員になるためには、農業に従事しているとか、
農業高校を出ているとか、そういった要件は必要ありません。
JGAP指導員になるには、2日間の基礎研修を受けて、
(朝9:00-17:00とびっちりあります)
試験に合格することが必要。
この試験は、持ち帰りで、約2か月以内に提出すればOK!
「提出が送れないかぎり、落ちません。」
と、担当の方が言っていました(笑)
費用(値段)は、2日で45,000円。
他の
団体認証研修(2日間)は45,000円
ASIAGAP指導員差分研修(1日間)は30,000円 です。
(全て税抜き表示)
どういう人が来ている??
私は2018年の8月に東京で受講したのですが、
参加者の人数は、40名くらい。
農家さんは、全体の1/6ほどで、
飲食会社、とか、ほんとうに様々。
「農業のこと全く分からないんです」
っていう方も結構いました。
でも、農家さんなら、絶対に知っておいた方がいい内容なのは事実。
だから、一番受けるべきは、農家や畜産をやっている方だと思います。
どんなことを学ぶの??
主に学ぶのは、
「いかに交差汚染や、食中毒、ガラスなどの異物混入を防ぐか」
いわゆる、食の安全、安心です。
例えば、スーパーの桃から、お米に使用する農薬の
残留農薬が検出された事件。
なぜこんなことが起きたのか?
その桃の農家さんは、稲作も行っており、
お米に使用する農薬を、桃の収穫用のコンテナの上の棚に置いていたそう。
その農薬が誤ってこぼれてしまい、
コンテナが汚染され、
それが桃に付着した、ということでした。
こういった事故を無くすために、
農薬や肥料の管理方法をきちんと明文化し、遵守する。
こういったことを学びます。
また、肥料も完熟のものでないと、牛の糞に交じっている
O-157が作物に付着し、人間が食中毒に感染することもあるそう。
O-157は死者が出る可能性があるから、絶対に起こしてはいけません。
衛生管理や、薬品の保管の管理、栽培記録の作成など、、、
ようは、「農家も1企業として、きちんとマネージメントしてね」
っていうことですね。
農家さんのJGAPの取得費用は?
農家さんがJGAPを取得するためには、どれくらいの費用がかかるのでしょう。
JGAPの取得費用の内訳は以下のとおりで、
合計15万円ほどかかるそう。
~内訳~
①審査・認証料金
目安として8万~10万円(税抜き)
②交通費・宿泊費
実施請求(審査員の所在地により計算される)
③移動拘束費
審査・認証機関による
④登録費
審査・認証機関を通じて日本GAP協会へ支払う
年間5000円×2年分=1万円(個別審査の場合)
さらに、年間、15万円ほど諸経費がかかります。
これはJGAPの取得費用で、
GAPは、これより高いため、農家さんの負担も大きくなります。
GAPを取って意味あるの??どんなところが取得している?
現在GAPを取得しているところは、
「農業法人」や、
「大手のレストランなどに直接野菜を卸している農家」
だそう。
取引先(大手)から、GAPを取得するように要請されて
取得することが多いそうです。
イオンは、GAPを推進していることで有名ですよね。
でも、指導員の方が強調されていたのは、
「GAPは必ずしも取得する必要はない。
けれども、実際にやることが必要だ」
ということ。
確かに、残留農薬や、異物混入のリスクは絶対に排除すべきだし、
GAPの基準を遵守することで、
リスクを低減できるのは、事実。
実際、GAPを実施した農家さんは、
「整理整頓されて、作業場が綺麗になった!」
とおっしゃていました。
GAPを取得しただけで、売価が上がるわけではありませんが、
取引先からの信頼度が上がる、
内部管理がやりやすくなる、
などのメリットがあるようですね。
けれども、講義の大半が、
「農薬の管理の仕方」だったので、
オーガニックや無農薬の農家さんは、あまり関係ないかも、、、
正直な感想としては、
「そんなに農薬の取り扱い方法が大変なら、
そもそも農薬使わない農業を推進したらいいのに、、、」
と思ってしまいました。
目指すところは、同じ。
安全、安心、そして地球にやさしい農業、ですからね。
JGAPの詳細はこちらからどうぞ。
日本GAP協会HP: