酵素って、何ですか？
「酵素ドリンク」
「酵素サプリ」
「生野菜は酵素がたくさん含まれているから、たくさん食べないと、、、」
よく聞く「酵素」というワードですが、
実はよく知らない。
そんな「酵素」を今日は徹底解剖したいと思います。
酵素とは、生体で起こる化学反応に対して触媒として機能する分子のこと。
触媒とは、
「化学反応において、反応物質以外のものでそれ自身は化学変化を受けず、
しかも、反応物質の活性化エネルギーを小さくさせることを通じて、
反応速度を速める物質」。
つまりは、Aという物質をBという物質に変えていく際に、
仲介する働きを担うものです。
身体では絶えず生命維持に必要な活動がなされています。
食べ物を消化吸収したり、
異物を排除したり、
ホルモンを分泌したり、
身体の必要な所に大事な栄養素を運んだり、
遺伝子が発現するスイッチをオンやオフにしたり、、、
こうした機能を「代謝」と言いますが、要は、
体内で起こる化学反応のことです。
酵素は、物質を次々に新しく作っていき、変化させ、壊す、という代謝を促進したり、抑制したりする物質といえます。
例えば、食べた「ご飯」がどうやって体に消化吸収されるか、を考えてみましょう。
お米を食べると口の中で、デンプンがまずマルトース(麦芽糖)に分解されます。
ここで登場するのが、唾液に含まれる消化酵素のひとつ「アミラーゼ」です。
主に膵臓と唾液腺で作られます。
このデンプンを、唾液に含まれる消化酵素「アミラーゼ」が分解し、
このマルトースに変化させます。
デンプンを体に吸収できる形のブドウ糖に変化させるのは、酵素の役割、ということですね。
遺伝子によって決められ、限りがあると言われています。
そして加齢とともに酵素を作り出す力は弱まり、
酵素の量は徐々に減少していってしまうのです。
また、暴飲暴食、ファーストフード、喫煙、アルコール、ストレスなど、
さまざまな原因で日々酵素は消費され、減っていきます。
食事を摂れば、食べたものを消化・吸収するために酵素を消費していきます。
酵素は代謝よりも消化を優先させる性質があるため、加齢や消化などによって酵素が減少すれば、
その分、代謝機能が弱まっていくと考えられるのです。
糖分や脂質がたっぷり含まれた食事は、
それ自体が太る原因になるだけではなく、大事な酵素を減少させ、
代謝機能を弱めてしまう。ということなのですね。
体温を上げると、酵素の働きも上がる！
酵素は、40度前後の体温で素早く物質に化学変化を生じさせます。
本来、物質を変換するためには、100度近い高温環境や高いエネルギー負荷が必要なのですが、
私たちの体内における「化学反応」には37度という極めて低温度の状態で、無数の代謝活動を行うことができる驚異的な力があります。
酵素による化学反応は、1度変化すると、その反応速度は約10%変化するほど、温度が密接に関わってきます。
酵素が最大の速度で反応を行える環境は、37度前後。
酵素は「タンパク質」からできているため、
酵素が存在している環境の温度が高すぎたり、低すぎても本来の機能を発揮することができないのです。
「体温を上げると、病気が治る」
と言われているのは、体温が上がることで、酵素が活発に動き、代謝が活発に行われることで、自然治癒力や免疫機能が高まるからなんです。
酵素はフレッシュな食材から！
酵素は、生野菜やフルーツに多く含まれています。
発酵食品もおすすめです。
でも、健康的な食生活を送っていれば、
「酵素を取らなきゃ」と敢えて意識する必要はありません。
最近では、サプリメントや、酵素ドリンクも販売されていますが、
おすすめはしません。
それは、体に入れるものは、加工されていない、食品の状態で取るのがベストだからです。
また、酵素ドリンクには、大量の砂糖や添加物が含まれていることも
あるので、注意が必要です。
生命活動は化学反応の連続体・集合体によって成り立っています。
どれが欠けても、正常に機能しません。
「健康は、総合力だ。」
これさえとっていれば健康になれる、という魔法のような物質は存在しません。
毎日の生活から、コツコツと。
・手作りの料理を食べる
・バランス良く食べる
・油ものは控えめにし、野菜をたっぷりと。
地道な日々の積み重ねで、健康を作っていきましょう。
