「中国野菜は汚染が心配だから、国産野菜を買っている」
と普段から気を付けている方は多いですよね。
現に、「国内産」と書いてあると、安心してついつい手が伸びてしまいます。
しかし、そうとも言い切れないデータがあるのです。
耕地面積あたりの有効成分換算農薬使用量を見てみましょう。
【耕地面積あたりの有効成分換算農薬使用量】
第1位 中国 17.8kg/ha
第2位 韓国 13.1kg/ha
第3位 日本 12.1kg/ha
引用:FAOTAT(FAO=国際連合食料農業機関 統計データベース)
東アジア3国でトップ3が占められています。
日本は、第3位。実は2006年までは堂々の第1位。
現在は中国がトップに立っていますが、日本の農薬使用量は
決して少ないわけではありません。
農薬には、主に殺虫剤、殺菌剤、除草剤があり、
農薬は有機塩素系から有機リン系、ネオニコチロイド系へと
進化してきました。
特に、ネオニコチロイド系は神経を侵すとしてその危険性が
指摘されています。
なぜ農薬を使わないといけないの?
なぜ、これほどまでに農薬を使用しないといけないのでしょうか。
それは、野菜自体が弱いからです。
野菜や土に力がないため、農薬をかけて病気や害虫から守って
あげないと野菜が育たなくなっているのです。
近年では、種にも農薬が使用されています。
そうしないと鳥に食べられたり腐ったりし、発芽しなくなって
しまう可能性があるためです。
中でも、果実は農薬の使用量が多く、りんごは出荷までに
約50回の農薬を散布すると言われています。
では、もし農薬を使用しなくなったらどうなるでしょうか。
以下のデータをご覧ください。
【農薬を使用せずに栽培した場合の病害虫などによる収量の減少率】
りんご 97%減少
もも 70%減少
キャベツ 67%減少
きゅうり 61%減少
ナス 48%減少
小麦 36%減少
大豆 30%減少
米 24%減少
引用:病害虫と雑草による農作物の損失(日本植物防疫協会 2008年)
りんごに至っては、収量がほぼなくなってしまいます。
一方、米や大豆、小麦でも、30%前後収量が減少するとい
われています。
現代農業は、農薬に依存しているといえるでしょう。
野菜からどんどん栄養がなくなっている!衝撃の変化とは?
「野菜をいっぱい食べているから大丈夫」と思っているあなた、
野菜の栄養素を疑ってみたことはありますか?
実は今の野菜は昔の野菜とは別物といえるほど、栄養素が低下しています。
早速、1950年と2000年の主要な野菜の栄養成分を比較してみましょう。
【ほうれん草】
ビタミンA 8,000I.U → 2,310I.U (71%減少)
ビタミンC 150mg → 35mg (77%減少)
鉄分 13mg → 2mg (85%減少)
【人参】
ビタミンA 13,500 I.U 4,950 I.U (63%減少)
ビタミンC 10mg 4mg (60%減少)
【トマト】
ビタミンA 400I.U 297I.U (26%減少)
ビタミンC 20mg 15mg (25%減少)
【大根】
ビタミンC 20mg 12mg (40%減少)
引用:日本食品成分表(文部科学省 科学技術・学術審議会・資源調査分科会)
この表を見て唖然とした方もいるのではないでしょうか。
ほうれん草の鉄分に至っては、85%も減少しています。
つまり、昔と同じ基準で食べていると、全く栄養素が
足りないといった状況になっているのです。
でも、この話には続きがあります。
上記は一般的な慣行栽培の野菜の話。
有機栽培や自然栽培で作った野菜は、昔と同じくらいの
栄養素を持っているものもあるのです。
つまり、栽培方法は野菜に含まれる栄養素とも関係する、
とても大事なものだということ。
だから、私は有機栽培や自然栽培のお野菜をすすめています。
それは、有機栽培や自然栽培の方が栄養価が高く、
農薬の危険性も少ないため、
結局は「安あがり」であることが多いためです。
値段だけが判断基準ではないことがお分かりいただけた
でしょうか。
値段が安く、中身のない野菜を買うか、少し値段が張っても、
中身が詰まった野菜を買うかはあなた次第なのです。