野菜嫌いの原因は硝酸態窒素かも?
「このほうれん草は苦くて嫌い」
子供は、苦いものが苦手。
でも大人だって苦い野菜は食べたくありません。
野菜の味は、野菜固有のものと諦めていませんか?
実はこの苦みやえぐみの原因、肥料にあったのです。
野菜が肥料から吸収する重要な成分は、窒素です。
肥料の中には、硝酸態窒素という形の、植物にとって吸収しやすい
分子構造をもった窒素化合物が大量に含まれています。
この硝酸態窒素が苦みやえぐみの正体。
硝酸態窒素は葉ものに蓄積されやすく、硝酸態窒素が蓄積された
野菜は緑色が濃くなります。
味が苦いだけでは終わりません。私たちが硝酸態窒素を含む
食品を食べると、硝酸態窒素は口の中や腸の中に住む細菌の
作用で亜硫酸窒素に変わります。
これは貧血を引き起こすほか、身体の中でタンパク質と反応すると、
ニトロソアミンという強力な発がん作用を持つ成分に変わることが
分かっています。
有機栽培だから安心とはいえない?
最近では、有機農産物も徐々に見かけるようになってきましたね。
有機栽培の野菜は、日本の市場の0.2%。
イタリア 8.6%
ドイツ 6.1%
アメリカ 0.6%
に比べても、まだまだ小さな市場なのですが、都心ではオーガニック専門店
なども増えてきて嬉しいかぎりです。
有機栽培では、家畜の糞や落ち葉などを発酵させて作った堆肥を、
肥料として畑に入れます。
この肥料の質が問題。完熟していればいいのですが、発酵が
未完全な状態では、堆肥の中にアンモニア態窒素や硝酸態窒素などの
成分が含まれているのです。
アンモニア態窒素は土壌の中で硝酸態窒素に変換されるので、
こういう質の悪い堆肥をたくさん使うと、結果として、化学肥料を
大量に使った場合と同じことが起きます。
野菜の中に硝酸態窒素が蓄積するのです。
有機栽培の野菜を買うのなら、できるだけ肥料を使用していないもの、
動物性より、植物性の肥料を使用したものがおすすめです。
流通業者の中には、硝酸態窒素量に基準を設け検査を実施している
ところもあります。
とくに小さいお子さんがいる家庭では、気を使いたいところですね。
でも、まだ有機野菜を買うところまで行っていない、という方は、
「冷凍野菜は買わない」ことから始めるのがおすすめ。
冷凍野菜は、中国産であることが多く、基準値を上回る残留農薬
が検出される可能性があるからです。
冷凍野菜よりは、生の野菜を、
普通の野菜よりは、オーガニックの野菜を、
オーガニックの野菜よりは、自然栽培の野菜を。
できるところから少しづつはじめてみませんか?